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	<title>短編 | 深淵</title>
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	<description>二階堂悠理が管理する非公式二次創作夢小説サイト。夢小説に理解のない方は閲覧は非推奨。</description>
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	<title>短編 | 深淵</title>
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		<title>瞳に映るもの──Un dolce di nuovo──</title>
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		<dc:creator><![CDATA[二階堂悠理]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 20 Jul 2024 16:07:14 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[瞳に映るもの]]></category>
		<category><![CDATA[短編]]></category>
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					<description><![CDATA[その始まりはこうだった。「…おまえ、お返しはしたのか？」「……？貴様、何の事を言っている」 ──Un dolce di nuovo── 　暦の上では春。だが、実際はいまだ寒さが厳しく草木の芽吹きも遠いその季節。二月とはそ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>その始まりはこうだった。<br>「…おまえ、お返しはしたのか？」<br>「……？貴様、何の事を言っている」</p>



<p></p>



<p></p>



<p class="has-text-align-center">──Un dolce di nuovo──</p>



<p></p>



<p></p>



<p></p>



<p>　暦の上では春。だが、実際はいまだ寒さが厳しく草木の芽吹きも遠いその季節。<br>二月とはそのような時節。<br>下界…ダイランティアではその月に大陸全土である行事が行われていた。</p>



<p>　ある者は親しい者へ、またある者は思いを寄せる者へ贈り物を送りあうというそのイベント。<br>天界でも地上の風習に造詣のある者達は便乗する形になってはいたがプレゼントを贈りあっていた。<br>だが、この厳つい男…バルバトスはそのような世俗には全く興味がない。その上、大のアイテム嫌いもあいまって、己の近くでそのような行為を目撃しようものなら条件反射的に襲い掛かっていた。</p>



<p>　その場を偶然通りかかったサラに「暴れられると目障り」と言われ、彼女から「コレでも食べて何所かよそへ行け」と言わんばかりにバルバトスは菓子を投げ渡された。</p>



<p>その日から丁度一月後。</p>



<p>「お前、お返しはしたのか？」<br>「…？貴様、何の事を言っている」<br>いつの間にか己の背後に現れたリヒターを睨み付け、バルバトスは唐突に聞かれた言葉の真意を図りかね質問で返した。<br>「…何、とは…。<br>お前、先月貰ったのだろう？」<br>「なんの事だ」<br>「…サラから菓子を貰ったのだろう？」<br>「…それがどうした」<br>確かに一ヶ月前に渡された、それは認めざるを得ないバルバトスは彼の問いに肯定的に答えた。<br>「何の気紛れかは分らぬが、あのサラが土産に買ってきたのだ。<br>貰ったのであればお返しぐらいはするのだなバルバトス」<br>「…フン」<br>自身も土産として菓子を貰った、と言わんばかりなリヒターの物言いにバルバトスは僅かに眉根を寄せる。<br>その話し振りから察するに、リヒターはお返しをサラへと渡したのだろう。</p>



<p>　──忠告はしたぞ？</p>



<p>そう言い置いてリヒターはその場を立ち退く。<br>「……」<br>そんな彼の様子をどこか忌々しげに眺めた後、バルバトスはしばらく思案したのち。<br>何かを思いつき姿を消した。</p>



<p>　一方。</p>



<p>「…今日は何かあったのか？」<br>行く先々で先月と同じくプレゼントを贈りあっている天使達を見かけ、サラは『また奴が暴れないといいが…』と思案していたところに偶然リヒターと出くわし、彼から菓子を貰ったのだった。<br>「不思議なこともあるものだな」<br>彼から貰った小箱をしげしげと眺め彼女は呟いた。</p>



<p>　そう、サラはバレンタインデーの一月後にホワイトデーというイベントがあるということを知らなかったのである。</p>



<p>「…まあ、厚意を無碍にすることもあるまい。頂くとするか…」<br>そう言うとサラは木陰に腰を下ろすと包みを開け、中身を確認する。<br>「ほお…？美味そうなクッキーだな」<br>彼女はクッキーを1つ摘まむと口にした。程よい固さ、食感。程よい甘さ。</p>



<p>──これはなかなか…</p>



<p>クッキーの美味しさに舌鼓を打つと、サラは程なくして完食していた。</p>



<p>　もうしばらくここでのんびりしているか…と、サラは真後ろにある樹木に背中を預け少しだけ目を瞑ろうとする。</p>



<p>　するとそこへ、遠くから異様な気配をサラは感じたのだった。<br>それは、己も良く見知っているそれ。だが、いつもとは何所となく違う。<br>寛ぎモードから一瞬にして臨戦態勢をとるサラの前に、その気振りの主が姿を現した。<br>「……見つけたぞ、サラ！」<br>「…誰かと思えば、おまえか。<br>一体何の用だ？バルバトス」<br>見知った気配ではあったが普段とは微妙に違う素振りであったため、念には念を入れてサラは未だに警戒を解かない<br>彼女のそんな態度には目もくれず、バルバトスはサラの手を問答無用で掴む。<br>「？！」<br>意外な行動にサラは己の目を疑った。<br>「ついてこい」<br>「…は？」<br>おもむろに歩き出したバルバトスについていく形になったサラは我に返ると<br>「ちょっと待て。どこへ行くのだ」<br>至極もっともな質問を口に出す。<br>「…今日は俺に付き合ってもらうぞ、サラ」<br>「は？だから何所へ」<br>「……」<br>それきりバルバトスは口を閉ざしてしまい、目的地も分らぬままサラは彼の後ろにつくしか出来なくなってしまった。</p>



<p>　心なしか、バルバトスの頬が赤く見えるのは気のせいだろうか。<br><br>──熱でもあるのではないか…？<br><br>普段からは考えられない様相にサラは眉を顰めつつも、今のところは無駄に暴れることもない彼の姿に「まあ今日ぐらいはいいか」とバルバトスの希望にのってやることにしたのであった。</p>



<p class="has-text-align-right">携帯サイト初出日：2010年3月19日　了<br>加筆修正：2024年7月21日</p>
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		<title>瞳に映るもの──月光──</title>
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		<dc:creator><![CDATA[二階堂悠理]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 17 Jul 2024 16:02:51 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[瞳に映るもの]]></category>
		<category><![CDATA[短編]]></category>
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					<description><![CDATA[「今宵の月は闇に映えて一段と綺麗だこと…」は空に舞いながら、望月が織り成す夜空に感嘆の息をこぼす。「さすがは明月、といった所ね」うんうんと頷きながら、しみじみとした面持ちで月明かりを浴びながらダイランティアに降り立つ。  [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>「今宵の月は闇に映えて一段と綺麗だこと…」<br>サラは空に舞いながら、望月が織り成す夜空に感嘆の息をこぼす。<br>「さすがは明月、といった所ね」<br>うんうんと頷きながら、しみじみとした面持ちで月明かりを浴びながらダイランティアに降り立つ。</p>



<p>　行き先は大樹ユグドラシルのある精霊闘技島。</p>



<p>満月による月の魔力の増大に伴い、世界樹にもその恩恵がもたらされているかを確認するためにサラはこの地へ赴いたのだが…。</p>



<p>「あまり効果はないようね」<br>ユグドラシルの状態を見るや否や、彼女は深くため息をついた。</p>



<p>──それだけ、マナの枯渇状況は深刻といったところか。<br>サラはかぶりをふると、己に内在するマナを大樹に分け与える。</p>



<p>それが終わると、目的は果たしたと言わんばかりに天界へと戻っていった。</p>



<p>　天界に帰還し、サラはまた月を眺める。<br>「この時期の名月は殊更に素晴らしい…」<br>ダイランティアで見る月も、天界で見る月も。<br>どちらも甲乙つけがたい。</p>



<p>月が良く見えるこの場所はサラお気に入りの場所。<br>この辺りには天界人もあまり近寄らない。<br>眼帯を外し、久方振りに両の目で月を愛でる。</p>



<p>しばらくの間、月光と静寂の中に心を委ねていたサラだったが、それを遮るかのように近くでつんざくような爆音がおこった。</p>



<p>にわかに聞こえる怒声。<br>そして…<br>「ジェノサイドブレイバアアァア！！」<br>声がしたかと思えば、大気を揺るがすような衝撃波の余波が巻き起こった。</p>



<p>「…ちっ」<br>サラは月見を邪魔され、煩わしそうにそれを避ける。</p>



<p>声の主は一体何をしているのか…？</p>



<p>彼女は眼帯をつけるのも忘れてその場へと足を運んだ。</p>



<p>　そこにあるのは問題の主と、衝撃波に巻き込まれたのか、皆一様に気を失っている下級天使達。<br>「ぶるああああぁぁぁあああ!!」<br>当人は未だに暴れ足りないらしく、雄叫びをあげていた。</p>



<p>──…本っ当に暑苦しい…。<br>風流もあったもんじゃない、とサラは軽くため息をこぼすと、<br>その人物の背後に回り<br>「何やってるのさバルバトス…。<br>暴れるのもいい加減にしてくれる？」<br>少しばかりの怒気を込め、バルバトスの動きを封じるかのように声をかけた。</p>



<p>「せっかくの名月が台無しじゃないか」<br>両目でサラに見据えられ、バルバトスは一旦動きを止める。<br>「貴様は…サラか…？」<br>彼女が眼帯を外している所を初めて見たバルバトスは訝しげにサラを見つめた。</p>



<p>「…何？」<br>「いや…なんでもねえ…」<br>サラに冷たく見下ろされ、バルバトスは月明かりに映える彼女に目を奪われた。</p>



<p>それに反し、急に大人しくなったバルバトスを見てサラは珍しいものを見たかのような気持ちになった。</p>



<p>「……まあいいわ。<br>今晩は仲秋の名月なのだから、貴方も月を愛でてみたら？<br>　風流を解する事ぐらいできるでしょう？」<br>「…ふん。貴様がそう言うなら今日は大人しくしていよう」<br>今日の俺は紳士的だ。</p>



<p>そう言いバルバトスは夜空を見上げた。</p>



<p>　──月明かりの下で、君は一体何を思う？──</p>



<p class="has-text-align-right"><br>携帯サイト初出日：2009年10月4日　了<br>修正：2024年7月18日</p>
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